2018-12-08 12:03 | カテゴリ:フランス
ジャンル:ニュース テーマ:フリーメイスンリー

再び書評なんですが、前回のフリーメイスンとモーツァルトと出版年代も、その他も含めてセットのような本で、主にフランス大東社によって後援された、フランスの恐らく大東社のフリーメイスンである、ブラザーリュック・ヌフォンテーヌによって書かれた本です。いわゆるフランスフリーメイスンリーの公式の紹介本であり、日本のフリーメイスンリー関連の最大の翻訳者、研究者である吉村正和氏によって翻訳されたものであり、竹下節子さんのフリーメイスン もうひとつの近代史の以前のフランス大東社による日本への紹介本であるかと思われます。

まず出版社なんですが、日本では創元社というところで、どうも創価学会とは関係ないようで、まあ1996年出版という事で、自社連立政権なんて時代であり、橋本龍太郎総理という時代であり、まあ大東社じゃないですが、その後の9.11や3.11、小泉改革や民主党政権、自公連立政権を連想させるような、政治とフリーメイスンリーという視点で、逆に言うと20年後の現在の方が日本人にとって示唆的であり、はるかにわかりやすい内容ではないかと思われるものだと思います。

図譜が多く、上位階級への言及が多く、さらに大東社が中心であってもきちんと英米系の正規派フリーメイスンリーについて対照的にバランス感覚をもって描かれているのが、著者の方がベルギーのブリュッセル自由大学出身のフリーメイスンリーの研究家という事で、まあヨーロッパの位置的にはこれでカトリック側であればイルミナティという事になるのでしょうが、そうではないので、本書ではイルミナティについてはあまり詳しくありません。

フランス革命についてのフリーメイスンリーの関りなどはある意味公式見解の通りというところで、非常に興味深いのは時代もあり、東西冷戦の終結にフランス大東社が関わったという実際の活動であり、かつてのブラザーミュシャがスコティッシュライトの頸飾を作成していたフリーメイスンリー大国のチェコでナチスの占領後から民主化までの間閉鎖されていたロッジが回復するのに影響を与えているなどが興味深かった一方、ロシアでは芳しくないなど、英米系フリーメイスンリーとの地図のモザイクがあるところでしょうか。キューバでカストロ政権下でもフリーメイスンリーは抑圧されなかったなどの話も、キューバ危機やケネディ政権やCIAの活動などを考える上で非常に参考になる話だと思います。

まあ出版から20年以上たっていて、このブログも6年以上たっているわけですが、その間私が読まず、アマゾンでも検索で乗ってこなかった本ではありますが、読みやすく、大東社と限らず、フリーメイスンリーとは何かという事について必読の書であると思われ、アンダーソン憲章の部分訳も載っていましたが、このブログで全訳を載せられればと思う、相当に内容の濃い本でありました。
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