2012-07-22 21:07 | カテゴリ:その他 雑記
ジャンル:ニュース テーマ:フリーメイスンリー
突然内山岩太郎氏について取り上げるのはあれなのですが、どうも夏島のパーフェクトアシュラーでの碑文への名前の登場から、現在の神奈川県知事との共通の名前の岩や、カトリック教徒である事、日本の国際連合復帰へとつながるフィリピンでのカトリック寺院の再建、鶴岡八幡宮境内にある神奈川県立近代美術館など、どうも日本のフリーメイスンリーを考える上で、横須賀からの視点で見た際に重要な人物であり、果たしてこの方はフリーメイスンであったのかどうかというところで気になる人物であったので、実際本人が書いたものを読んでみようと日本経済新聞社発行の「私の履歴書」の内山岩太郎氏の巻をアマゾンで購入し一通り読んでみました。

結論としてはこの方は非常にフリーメイスンリーに近い存在で、今日の神奈川県の異常ともいえるほどの発展のかなり重要な基礎を作られた方ではありますが、むしろきちんとしたカトリック信者であったという事と、フリーメイスンではないという事になるかと思います。

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横浜の私学会館に巨大な銅像があったそうですが、今年の7月2日に地震で危険との理由で撤去され、小さな胸像が新しく作られたそうです。

私の履歴書を読むと、どうも中学時代に明治の自由民権運動にあてられて校長に反旗を翻して仲間とともに放校となり転校に必要で猛勉強をして、その際には仲間が何人も結核で死ぬような状況であったそうです。これが転機となって語学、スペイン語を身につけ、さらにカトリックに入信して外交官になる事が目標となり外務省に入ったそうです。なかなか上州の気風というか、その後の市章の話でも触れた群馬の首相を輩出するきっかけというかそういうものを感じさせる逸話かと思います。
スペイン勤務・留学の際に当地の本人いわくちょっと教育のかわった学校に行ったそうで、恐らくそこがリベラルアーツというか、フリーメイスンリー流の自由教育であったようで、信心が薄くなって自由な気風を最大に発揮するようになったようです。なかなか外務省を松岡洋右大臣の下で辞職させられるまでの冒険談とも言うべき日本の外交黎明期の逸話はバロン薩摩の逸話のようで、まあそれらがどれだけ実際に当時の日本本国にとってメリットがあったかどうかは別として、それらの活動が恐らく戦後の神奈川県政に活かされたに違いない、活かされないと困るというものであったとは想像されます。

面白かったのはやはり建国からフリーメイスンリーとの関わりが強いアルゼンチンなどの南米諸国での外交の話や、フリーメイスンであるブラザー佐藤尚武との外務大臣就任の逸話、松岡洋右外務大臣によるほとんど全ての外交官の罷免など戦前の日本の国際関係を端的に象徴する様々な逸話があり、また戦後に復権した際の神奈川県知事としてのGHQとの関係、フィリピンでのカトリック寺院の再建話など、極めて濃密なフリーメイスンリー関連の事象と、本人の大らかで極めて名誉欲が強そうな行動力、またスペインの学校での自由主義の教育以来のフリーメイスンリー精神と恐らく本人の群馬の田舎から出立し国際人として活躍する原動力となったカトリック信仰精神との相反するものを終生感じさせるかと思います。フィリピンのカトリック寺院の再建の記念セレモニーが真珠湾攻撃の日、釈迦が悟りを開いた成道会である12月8日であるというのもまたフリーメイスンリー的であり、象徴的な逸話かと思います。
アルゼンチンでの逸話としてスペインでの同じ恩師の教え子として仲良くなったなど、まさにフリーメイスン的逸話があるのですが、恐らくご本人はフリーメイスンを意識して深くは考えていなかったかと思いますが、教育その他の中でほぼフリーメイスン的に生きられていたのではないかと思います。
最後の横浜の特例市の話など、かなり政治や地方分権などについて先進的な思想や発想を持っていたわけではなさそうですが、恐らく開港記念館に繋がる博物館の建設や、音楽堂の設立などは、私も神奈川県民ホールで魔笛のオペラを見た事もあり、大いに現在の神奈川県民の福利厚生や向学の基礎に役立っている人なのかと思われます。

私も鶴岡八幡宮にある神奈川県立近代美術館は未だ訪問していない(昔に行ったかもしれないが記憶が無い)ので機会があれば訪問したいかと思います。

なかなか情報も少なく、科学的発想など少なかった日本の近代化時代に、これだけの活躍を国際舞台で成しうる人も少数であるかと思われ、また戦後の特に現在に繋がる郷土である神奈川県の発展に直接的に貢献した人としても影響の大きな人であるかと思われ、最初のフリーメイスンとしてのブラザー西周・ブラザー津田真道やブラザー林董などとは異なり、フリーメイスンリー関連として現代に繋がる実際的な人物として、政治家でいえば吉田茂の様な日本的なやや矛盾を内包する存在として重要な人物かと思われました。
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