2012-10-30 21:09 | カテゴリ:ユダヤ教
ジャンル:ニュース テーマ:フリーメイスンリー

ヘロデの呪い―暴かれたユダヤ古写本ヘロデの呪い―暴かれたユダヤ古写本
(2002/02)
ローレンス・D.H. ローレンス、アワド カウリー 他

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まあなんだかんだで字が大きくて読みやすいので読んだので皆さんにお勧めする意味でも感想を書こうかと思います。作者の方とか出版の実際のいきさつ、どこのロッジが関係しているとかは一切知りませんので純粋に本文を読んで判断するだけです。
まず内容的には色々な要素が詰まっています。フリーメイスンリーの儀式の様子、実際の内容の様子、階級の昇進の様子、それらの個々人の認識の様子、フリーメイスンリーの由来の認識そういったものが色々詰め込まれて、さらにそれらを一つ束ねているのがフリーメイスンリーとユダヤ教の関係を解説しているところ、それも大胆にもフリーメイスンリーそのものがユダヤ教がキリスト教を抑制するために作られた組織であったという話、まあこの核の部分は明らかに創作がわかる感じになっているわけですが、そこがプロテスタントからルネッサンス、さらにはヨセフの話ではないですが、キリスト教の根底にあるユダヤ教の認識とそこからの近代文明の隆盛が明らかにフリーメイスンリーを通して繋がってくるわけで、実際にはこのブログでも触れていますが、フリーメイスンリーの核となる教えの部分とユダヤ教の核となる教えの部分とは非常に重なる部分が大きいわけで、それについてビックリするような創作を加える事でフリーメイスンリーの入門者、単なる友愛団体として認識していた人々に、そういう哲学的とも宗教的ともいえる勉強の機会を与える内容となっているものかと思います。実際問題ルネッサンスは聖書の翻訳と活版印刷で始まったと言われますが、結局その内容の大部分は旧約聖書でありユダヤ教の理解であった事は間違いなく、間違いなくルネッサンスとはユダヤ教への回帰の部分によって宗教的な自由、個人の信仰の自由というものがあったものであり、それと現在での歴史的作業とも言うべきキリスト教の中のユダヤ教の再発見という事が実際にはそういう考え方の自由を取り戻す一つの定型的な作業であるのではないかと思われます。

まあロストシンボルではないですが、こういったセンセーショナルな風味の暴露本的な要素を加えた、それでいて緻密に計算されたフリーメイスンリーの導入とさらに高いレベルへの学習へと誘う内容の本を出版する事がその後のブラジルなど南米の様々な発展に繋がる要素もあるのではないかと思い、やはりキリスト教国である南米の真摯な宗教的態度とそれでいて盲目的でない様々な知的欲求をかきたてる姿勢が、この本をそれなりの知識を持つ人には楽しめる本としているのではないかと思われました。

やはり私もまだ全て読んでいませんが、旧約聖書の通読とユダヤ古代誌までの通読はこの本の内容を楽しむには必要ではないかと思います。逆にそういう知識を獲得する事を促す本であるかと思います。まあなんだかおかしなことを書いているが真面目な本という事です。
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