2013-01-13 13:31 | カテゴリ:横須賀
ジャンル:ニュース テーマ:フリーメイスンリー
ロンドン・パリ編が豪華すぎるせいか横須賀の話題を取り上げるとなかなか規模が小さい感じがしますが、それもこれもたった一年のこのブログの洗脳の効果かもしれません。

まあ市章であれだけ作り込んでいるわけですから市の歌に色々込めるのは当然というところであるかと思われます。作曲をしている團伊玖磨氏も横須賀にゆかりの深い方のようですが、三笠公園の回でも触れていますが、血盟団事件で暗殺された三井財閥総帥の団琢磨氏の孫であり、日本で最初の本格的なオーケストラ指揮者である近衛文麿元首相の弟である近衛秀麿氏に師事し、YouTubeでも取り上げた芥川也寸志氏と黛敏郎氏と三人の会を結成しているなど日本の戦後のクラシック音楽界の重要な作曲家であり、石橋家や鳩山家ともつながりのある方のようです。作詞した堀口大學氏は葉山に住んでおられたようで、フランス文学者でボード―レールの悪の華などを始めとして数多くのフランス文学を翻訳したそうです。象徴主義にも分類されるようで、ミラボー橋のアポリネール詩集を翻訳したり、ルブランの怪盗ルパンシリーズを翻訳しているようです。

さてでは歌詞を見ていきましょう。
その前に検索で出てきた戦前の横須賀市歌を見てみましょう。

作詞:北原白秋
作曲:不詳
1936(昭和11)年

1.旭日の輝くところ 儼たり深き潮(うしほ) 艨艟 城とうかび 清明富士は映れり
 勢へ 我が都市 横須賀 横須賀 大を為さむ
2.金鉄貫くところ 鏘たり響け軍都 工廠 光赤く 営々人は挙れり
 勢へ 我が都市 横須賀 横須賀 大を為さむ
3.聖恩の普きところ 儼たり見よや東亜 天業ここに高く 皇国護り康し
 勢へ 我が都市 横須賀 横須賀 大を為さむ

戦後にすぐに堀口大學氏の歌詞に書きかえられたそうですが、その歌詞はわかりません。昭和42年に現在のものに替えられたようです。

堀口大學作詞
團伊玖磨作曲

1.白波は 白波は 岬にくだけ 光る風 光る風 台地にあそぶ
 半島の 半島の 只中占めて 溌剌と わが横須賀は 太陽の前に生きたり
 前向きに 前向きに 明日を行く手に 溌剌と わが横須賀は 太陽の前に生きたり
2.黒船の 黒船の 浦賀の海も 燈台の 燈台の 観音崎も
 そのままに そのままに 維新日本の 飛躍への 目醒めの歴史 今ぞ知る意義の尊さ
 百年の 百年の 国のあゆみに 飛躍への 目醒めの歴史 今ぞ知る意義の尊さ
3.たぐいなき たぐいなき 天与の地の利 踏まえての 踏まえての 近代都市ぞ
 日に月に 日に月に 進む産業 颯爽と わが横須賀は 良港に造船栄え
 埋立てに 埋立てに 工場競う 颯爽と わが横須賀は 良港に造船栄え
4.うるわしき うるわしき 自然のめぐみ 地に満つる 地に満つる 観光都市ぞ
 樹を愛し 樹を愛し 人はすこやか 遠くとも 訪い来て見ませ 北限に匂う浜ゆう
 荒崎に 荒崎に 岩噛む波を 遠くとも 訪い来て見ませ 北限に匂う浜ゆう
5.未来こそ 未来こそ 横須賀の夢 大いなり 大いなり われらが夢は
 黒潮に 黒潮に わたすかけ橋 天そそる 横断路線 ひと跨ぎ東京湾も…
 大いなり 大いなり われらが夢は 天そそる 横断路線 ひと跨ぎ東京湾も…

さて興味深い事に戦前のものの歌詞を見るとフリーメイスンリーと関係ありそうなところは旭日というところ位でしょうか。その他はいかにも軍国主義の時代という感じの富士や軍都、工廠、東亜、皇国という単語が並びます。光赤くというところも一つポイントかもしれません。いずれにしてもこの市歌から感じ取れるのは、昭和11年の時代という項で述べたような、いかにもな軍国主義のまさに戦争に向けて一心不乱に走っている状況であり、衣笠山や汐入、葉山のオベリスクに象徴されるようなフリーメイスンリーを意識したものではなく、それらがそのまま当時は軍国主義の象徴であったという事を示す当時の生き証人のような歴史を感じさせます。

それに対して昭和42年制定の現在の市歌は内容的には高度成長期を象徴するような若干時代遅れの感がありますが、フリーメイスンリーのシンボルを知って読むとなかなか味わい深い歌詞となっています。

まず白波で始まり黒船、黒潮という白黒の対比が歌全体をまとめています。光る風というのもなかなか変わった表現ですが、うまく光を入れた感じでしょうか。太陽の前に生きたりと旭日よりも具体的にシンボルを表現しています。黒船、観音崎の燈台と今ぞ知る意義の尊さという文でそれぞれブラザーペリーとブラザーヴェルニーの功績、そしてそれらを暗示する事でこの歌詞自体からフリーメイスンリーの気付きへと導く文となっているようです。日に月にという表現はそのままシンボルを示した形となっていますが、まああまり標準的な日本語ではないと思います。日進月歩とは言いますが日に月にという表現は検索しても日がたつにつれとあり、毎日発展するという意味よりもむしろ時間がいたずらに経過していく様子を表現している言葉で、その後の進む産業とは逆の表現になっているようです。まあそれだけシンボルにこだわった表現といえるかと思います。黒船と造船と船という語を二つ入れている感じでしょうか。その後の樹を愛しというのも唐突な感じですが、これもやはりブラザーロベスピエールが挙行した最高存在の式典で象徴された生命の樹のシンボルとしてのフランス文学者らしい表現ではないでしょうか。わたすかけ橋というのもシンボルの表現になるのだと思われますが、まあ東京湾横断道路はアクアラインのすでに完成している現代では古色蒼然とした夢となるのかもしれません。

いずれにしても明らかにシンボルを様々に入れ込んで、それでいて市政の依頼に答えた苦心の跡が垣間見えるなかなかの工夫の作であるかと思われます。森鷗外作詞の横浜市歌などと比べても横浜市歌が朝日や舟といった単語がわずかに垣間見えるだけで、戦後制定という事もありますが、フリーメイスンリーのシンボリズムから見て明らかに良くできています。

ちなみに作詞者の堀口大學氏は1月8日生まれの慶応大学出身で奇しくも小泉純一郎元首相と同じようです。カトリックの祭日公現祭の日で昭和天皇の命日ですね。(H25.2/19追記:昭和天皇の命日は1月7日ですね。)まあ偶然のようです。
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