2013-10-25 23:13 | カテゴリ:スコットランド
ジャンル:ニュース テーマ:フリーメイスンリー
何度も何度もエディンバラの風景で写真に撮っているのがブラザースコット記念塔なわけですが、実際中を登る人はそれほど多くはないようです。エディンバラでエディンバラ城の次に目立つのがこのスコット記念塔なのですが、実際中に石像もあるブラザーサーウォルター・スコットですが、作家であるというのを日本人で知っている人も少ないと思われますし、また作品を読んだことがある人も少ないかと思われます。ただしエディンバラやスコットランドを旅行すると必ずスコットランド国立銀行発行の紙幣で目にするのがこのブラザーサーウォルター・スコットの肖像という事になります。
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でまあここまでくれば相当偉い人にちがいないと思うわけですが、どうもウィキペディアを読んでも日本語ではほとんど内容が書いておらず、その作品の項目を見ても唯一アイヴァンホーだけが概要が書かれているという形になっています。いずれにしてもイギリスの作家としては存命中に国外に名前を知られた唯一の作家という事になるそうです。恐らく日本人にとって一番有名なのはこのブログでも以前取り上げたシューベルトのアヴェ・マリアの原作の歌詞の元になった詩を作ったというところでしょうか。

まあちょっと色々と心もとないですが、実際アイヴァンホーの日本語訳までは買ったのですが、色々と読む時間が無く、一応人生について一通り書いてあるのがwikipediaの英語版という事で、それを参考にしてブラザーサーウォルター・スコットについて見ていくこととします。
まず生年月日と忌日ですがやはりフリーメイスンリーの本場のスコットランドの恐らく現地では一番の有名人であるブラザースコットという事で、1771年8月15日 - 1832年9月21日という事であり、いわゆる1717年のイングランド連合グランドロッジの結成の11と77の数字の並びを変えた回文数の年のさらにカトリックの記念日である聖母降誕祭、これはまたイエズス会にとっても特別な日でありましたが、その日の生まれという事でそれはなかなか特別な意味があるという事になるのだと思われます。また名前もまた同名のウォルター・スコット (バクルー伯爵・公爵)で検索され、結局ブラザーサーウォルター・スコット自身もこの公爵家のスコット家の末裔であり、またこの初代バクルー公爵自体が清教徒革命後の王政復古で王位に返り咲いたチャールズ二世の庶子であるという事で、要するに貴族ではないがイギリス王の末裔であるという事のようです。
バクルー伯爵がそれ以前に存在し、初代スコット・オブ・バクルー卿ウォルター・スコット1565年– 1611年12月15日、ウォルター・スコット (初代バクルー伯爵)1603年 - 1633年11月20日、フランシス・スコット (第2代バクルー伯爵)1626年12月21日 - 1651年11月22日という事でどうもグランドロッジ結成以前の時代ではありますが、明らかに生年月日と忌日の様々なシンボリズムを認める貴族の系統という事で、ローズラインではありませんがイングランド、スコットランドの貴族社会の様々な因襲を伺わせる由緒正しい血統という事は間違いないように思われます。バクルー公爵は現在まで継続しているそうです。もちろんスコットランドの名前と同じスコットという事と、これがユダヤ教の仮庵の祭りを意味するスコットとも恐らく音が一緒という事でかかっているところもあるのかと思われます。
英語版ウィキペディアを読むとブラザーサーウォルター・スコットは小児まひの後遺症で明らかに足に障害を持っていたそうです。父親は弁護士であってエディンバラ大学の門前に住み、本人はいわゆる神童であったそうで、12歳からエディンバラ大学で古典の勉強をしていたそうです。後にブラザー寺澤廣一によるアダム・スミスとブラザーロバート・バーンズについて解説した英文についてブログの記事とする予定ですが、それにも書かれているとおり15歳でサロンでブラザーロバート・バーンズと会っているそうです。その後弁護士になるためにエディンバラ大学で道徳哲学と国際史についてちょうどフランス革命の時期に受講しているそうです。その頃に結局貴族の友達に奪われてしまう失恋を経験しているそうです。結婚したのはフランス人の大工の娘だそうです。ウィキペディアにはフリーメイスンリーについては一切触れていませんが、Highland Societyのメンバーであったのと、Royal Society of Edinburghの会長を務めていたとあり、これがそれを意味する事になるのかと思います。詩作や小説で成功する事になるわけですが、その代表作であるアイヴァンホーはブラザーヒュームの英国史の歴史観に基づいているそうです。歴史小説という日本で言うと司馬遼太郎や吉川英治のような作家の作品だと思われますが、そういう分野を最初に作った作家とされるようです。ロビン・フッドやテンプル騎士団が活躍し、さらに当時はまだ差別されることが多かったユダヤ人女性がヒロインとして描かれるなどを認めるそうです。当地での評価はかつてより低下し、現代では主に子供向けの歴史小説として考えられているそうです。
以前にブログでも触れたブラザージョージ四世のスコットランド訪問時の演出やそれ以前の封印されたスコットランド王冠の再発見などは、これら歴史小説で名声を博した後の事であるそうです。
その後は観光地ともなっている彼が作らせた城のような住居に住んでいたのですが、投資で破産して健康を害するようになり、ブラザーナポレオンの伝記などを作ったそうですが、最後は死因不明の状況で61歳で自宅で亡くなったそうです。

とまあなかなかの時代的にも背景的にもフリーメイスンらしさを満々とたたえた偉人というところであるかと思いますが、同時に複雑な時代背景や人間関係を鑑みなければ理解しがたい人物、まさにフリーメイスンという、シンボリックな人物という事なのだと思われます。私もアイヴァンホーや湖上の美人については日本語訳があるのでいずれ読もうと思っていますが、そうやってフリーメイスンの文学者の作品について読んでいくとその他の有名なイギリスの作家であるブラザーチャールズ・ディケンズやブラザーロバート・ルイス・スティーブンソン、ブラザージョージ・ゴードン・バイロンなどについても読まざるを得なくなるというところで、そうなるとその他にもいくらでもシェイクスピアから何から英文学について検討しないといけないという夏目漱石の世界になってしまうところなのだと思われますが、実際ほとんどがフリーメイスンだと思われ、いずれはそういうのも必要なのだと思われますが、原文で読むほどの英語力が付くとは思われずなかなか大変そうです。文学についてはもちろんフランスもドイツもイタリアもアメリカもあるわけで、その多くがアダムヴァイスハウプトの作品ではないですが、古典そのものが全てフリーメイスンリーに通じると言っても過言ではないわけで、なかなかまあまとまって紹介するような事は難しそうです。

フリーメイスンリーと文学については色々とアンダーソン憲章やモラルアンドドグマやヨセフスの著作など主要なところを終えたところで展開する事にしていくとして、今回の内容としてはブラザーサーウォルター・スコットの紹介と記念塔の紹介で終える事とします。
それで写真です。
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確か3ポンド位であったと思いますが、まあ基本的にあまり人気が無いようでした。もちろん登りはお決まりの螺旋階段ですが、287段あるそうで、やはり何か数字に意味があるのだと思われますが全くわかりません。高さも200.6フィートで61.11メートルという事で意味がありそうです。ウィキペディアを参照してください。
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眺めはまああまり変わりません。
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内部はステンドグラスがあるのですが、スコットランド、エディンバラを象徴するものなのだと思われます。セント・アンドリューとスコットランド王室の赤いライオン、セント・ジャイルズになっています。明らかにフリーメイスンリーを思わせるものはありません。ウィキペディアを読んでいて分かりましたが、ウェイバリー駅の駅名はブラザースコットの作品名なのですね。いやあ難しいですね。ブラザーロバート・バーンズの話もありましたが、英文学の世界もまさに暗号と暗喩と謎の伝達の世界なのでしょうね。ブラザーサーウォルター・スコットの処女作のようです。まあちょっといくらか作品を読んでからブラザーサーウォルター・スコットについてはまた記事とする必要があるかと思われます。
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この記念塔の設計者はジョージ・メイクル・ケンプというエディンバラの自分一人でゴシック建築を学んだ建築家によるものだそうで、偽名で応募してコンペで選ばれ、建築途中で霧の中で運河に落ちて亡くなったそうです。フリーメイスンではなさそうですがなかなか壮絶です。そういえば全く関係ありませんがイギリス関連といえば最近ビートルズのサーポール・マッカートニーが元気なようですね。
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まあなかなかすごい人間関係なわけですが、そういうわけでこの建物はエディンバラで目立つ建物でありながらゴシックの尖塔という他にいわゆるフリーメイスンリーを象徴するものが無いのですね。なかなかゴシックというものの意味も色々あるようですが、実務的メイスンリーと思索的メイスンリーという垣根がほとんどないここスコットランドではそういうようなパターンもあるという事なのでしょうか。バルセロナのガウディの建築なども背景が様々にあるようですし、日本の辰野金吾氏や丹下健三氏の建築なども色々あるようですし、また最近の新国立競技場の建築なども色々あるようですが、建築家の世界におけるフリーメイスンリーというのも実務的メイスンリーとはまた異なって様々な展開があるかと思われます。
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ブラザージェンナーデパートの方角ですね。ブラザージェンナーについても色々掘り下げると面白そうです。
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いやああっという間の数日でしたが色々色々写真に撮っているんですねえ。
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これは魔法使いの導師みたいに思ったんですが、ウェイバリーというハイランドの住人をイメージしているのでしょうか。まあ何となく最近のエディンバラから生み出されたハリーポッターシリーズや指輪物語の世界に共通するようなものでしょうか。
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ウェイバリー駅ですね。町中が全部謎になっていて繋がって楽しめるようになっているんですね。
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ガーゴイルなんでしょうか。ドラゴンみたいですが独特ですね。
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大きなカモメが歩いています。
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ブラザーアダム・ブラックの銅像の後ろ姿です。ウェイバリー駅についてブラザースコットの作品をスルーしたのはブログの有料化にこだわっていたときだったのですね。なかなかフリーメイスンリーも厳しいものです。ブラザーアダム・ブラックはブラザースコットのウェイバリー名義の作品を出版する際の権利を購入したそうです。

まあどうもこのスコットランドの内容とは関係ありませんが、聖書の通読に対比してか日本の古事記や日本書紀について読むことが一部で流行っているようですが、私もかつて古事記は少し読もうと思ったことがあったのですが、数ページでやめてしまった事があるので、今度読んだらまたここに書いてみようかと思います。論語についても数字のシンボリズムだけでこのブログに載せましたがもう少し補足しようかと思っています。基本的にはフリーメイスンリーの幹はほぼ聖書やキリスト教、ユダヤ教社会の伝統や歴史に依存しますが、日本のフリーメイスンリーに限って言えば、日本の伝統や歴史の中からフリーメイスンリーに共通する部分を汲み上げる作業は今後にとっても現実としてもかつてのスコットランドでのブラザースコットの作業などと同じく重要になるものかと思われます。フリーメイスンリーが何かを理解するのに聖書やキリスト教ユダヤ教の知識は重要ですが、フリーメイスンリーの知識をもって応用していくには自らの社会の伝統や歴史を顧みる必要があるかと思われます。決して内に籠ることなくまた扇情的な傾向に囚われる事なく緻密に内外のフリーメイスンリーの知識の広がりを行っていければと思っています。

(動画を見るとブラザースコット記念塔はさらに4階層になっているようです。記憶では2階層位まで登った記憶があるのですが、そこまで高いところまで登れるとは知りませんでした。3階層ではなく4階層なんですね。なんとも不思議な魅力ある塔なのですね。ぜひ次回訪問時は4階層まで登ってみたいかと思います。)
(287という数字ですがウィキペディアで見ると約数が7×41という事で素数同士を掛け合わせる半素数という数と、五角形ペンタゴンを作っていって得られる数字五角数であるそうです。いずれも暗号の鍵となる数字として使われるなどがあるそうで、何らかの暗号なのでしょうね。)
(ブラザースコットのフリーメイスンとしての活動についてはGrand Lodge of British Columbia and Yukonのホームページにありました。参照してください。Phoenixmasonryにもありました。ブラザーサーウォルター・スコットの名前を冠したロッジも世界各地にあるようです。本もあるようですが、現在日本のアマゾンでは取り扱いできないようです。Sir Walter Scott as a Freemasonいずれ知名度が上がって来たら読めるようになるかもしれません。スコットランドグランドロッジのホームページの著名なフリーメイスンの名前のところにももちろん認められます。エディンバラのフリーメイスンリー歴史学会でも基調講演のところで強調していてTake Home Messageのようであったかと思われます。)
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