2012-03-05 12:16 | カテゴリ:全国の市章
ジャンル:ニュース テーマ:フリーメイスンリー
ラバルムをやる予定でしたが、その前にいわゆる普通の十字、ラテン十字についてをやります。
十字については確かロストシンボルで触れていたかと思いますが、卍やエジプト十字、タウ十字など、古来でそもそも十字の印は宗教や神秘的なものの象徴であったようです。すなわち十字の起源が卍やエジプト十字、タウ十字というものではなく、そもそも十字が人類で普遍的に宗教や神秘、未知なるものの象徴であり、フリーメイスンリーでのGや△と一緒になるのかと思います。まさに象徴学の中心になるのかと思いますが、日本では一般に十字というとプラスの意味か、十の数字かキリスト教の意味になるかと思います。日本ではかつては卍も良く寺の意味で地図や看板で使われていましたが、ナチスの鉤十字との連想から最近ではほとんど認められなくなったようです。また十字の形のネックレスやイヤリングなどをテレビなどでも見る機会が増えているようですが、特にそれらがキリスト教徒が増えている事を示すわけではないようですが、実質的には社会的なキリスト教の受容が広まっている表れと捉えられるかと思います。
市章の中では十字は比較的隠された形での表現になるかと思います。やはり江戸時代のキリスト教弾圧の歴史は日本の中に色濃く残っているものかと思われます。キリスト教の歴史はその当初より弾圧と反発、戦争の歴史であり、この後にやる予定のラバルムなどもまさにローマ帝国でのキリスト教国教化の一つの象徴であり、ヨハネの黙示録と合わせて、フリーメイスンリーでもそもそも発祥はキリスト教社会でのものであり、汎宗教性、友愛の意味、対立と二元論という本質的な問いかけを投げかける事になるかと思います。また日本人は比較的キリスト教からは遠い歴史になるわけですが、そういう立場でまた相対的にキリスト教を認めた際に汎宗教性、友愛の意味、対立と二元論というところで自分たちの姿形を確認する事にもなるのだと思います。

では市章の中の隠された十字について見ていきます。
最初は以前にも挙げたものを出します。

鹿児島市 碧南市米子市半田市

呉市大牟田市田辺市佐世保市市章佐世保市奥州市盛岡市松本市

これらはもちろんその市がキリスト教に近いとかそういうことを意味するものではないと思います。
シンボルについて良く知っていれば自ずと十字のシンボルは汎宗教性を含めて当然含まれるものであり、九州などは特に隠れキリシタンの歴史もあり、佐世保なども十字をGと置き換えればまさにフリーメイスンリーのシンボルそのものとなり、そういう理解で良いのではないかと思います。キリスト教の十字のシンボリズムもそもそもやはりローマ帝国での国教化の中でコンスタンティヌス帝の時代に始まったようで、そもそも普遍的なシンボルとして存在した十字をキリスト教のシンボルとしたわけであり、それは現代の日本でもシンボリズムという点では変わらないのかと思います。コンスタンティヌス帝の時代は4世紀であり、さすがに島津の十字もキリスト教とは関係ないといっても、歴史で単純にさかのぼればやはりシンボリズムの積み重ねも圧倒的であり、シンボリズムの目で見れば島津の十字もキリスト教の十字であると考えて差し支えないものとなるのだと思います。これはやはり聖書を読んでいない、知識が無い場合に説明するのは困難かと思われます。明治維新で薩長連合が成り立つ前提として、島津の丸に十字の家紋と毛利の一文字三つ星の家紋がフリーメイスンリーのシンボリズムとして非常に良いものであったという事がありうるのではないかと思います。もちろんそれ以外の半島であるとか様々な条件があるのは当然ですが。
ちなみに島津の家紋は十字の一つの形として太陽十字と同じ様です。

ケルト十字の元にもなっているそうで、ヨーロッパでは先史時代よりシンボルとして認められるそうです。要するに人類共通のシンボルなのですね。

久留米市 福岡ですね。米や田の漢字の象徴として十字にする形がパターンのようです。やはり十字は九州に多い印象でしょうか。

沼田市 群馬ですね。沼田のもとになる沼田氏は三浦氏の末裔のようです。

京田辺市 京都ですね。十字は少ないようです。ちょっと変形ですが十字になると思います。これが45°傾くと聖アンデレ十字のシンボルになります。χρのχにも近くなるのかと思いますが、こちらは一応χρでセットみたいです。

下田市 静岡です。御用邸があるのですね。日米和親条約の開港二港の一つです。

秋田市 秋田です。田の字のようです。秋田美人の土地でしょうか。

瀬戸市 愛知です。瀬戸の焼き物は世界規模なのでしょうか。愛・地球博の開催地でもあります。

旧竹田市 大分です。現在は温泉をイメージした逆さタウ十字の形になっています。

浜田市 島根ですね。All Seeing Eyeとも、Gともかかっています。漁業が盛んなようです。

千葉市 千葉ですね。All Seeing Eye、月と太陽ともかかっています。発展しているようです。

田川市 福岡ですね。三井炭鉱の地です。現在は福岡県立大学があるようです。

行田市 埼玉です。古墳などあるようです。All Seeing Eyeなのだと思います。

津山市 岡山ですね。箕作阮甫、平沼騏一郎の出身地のようです。剣大というようです。十字で良いと思います。

大村市(3/8追記) 長崎です。島原市も後に出てきますが、長崎市と同じく日本最初のキリシタン大名の地です。十字で良いと思います。

金沢市 石川です。加賀百万石の城下町ですね。梅の形のようです。五芒星ともなるのだと思います。これを十字だと違和感が強いかもしれませんが、中心に十字で強調しているかと思います。

木更津市 千葉ですね。東京湾アクアライン、海ほたるがあるようです。木更津の木のようですが、佐世保と同じく十字で良いと思います。Gにはちょっと認めづらいかと思います。

八王子市 東京です。高尾山、昭和天皇・大正天皇の陵墓があります。桜を保存している多摩森林科学園もあります。まあ隠した十字になるのかと思います。

常滑市 愛知ですね。瀬戸とも近いのかと思います。常滑焼と中部国際空港で有名なようです。十字で良いと思います。パーフェクトアシュラーにも若干かかっているようです。愛知の市章はバラエティーが豊かです。

黒石市 青森です。中国の春秋時代に由来があるようです。白抜きの隠し十字ですね。そもそもフツといって星の意味だそうです。なかなか難しいですね。北極星の天皇と同じ様な感じでしょうか。

館林市 群馬ですね。うどんが有名かと思います。この十字は次に挙げるキリスト教の十字の特殊形に似ています。

スラブ太陽十字 クロスクロスレット
個別の十字の意味はちょっとネットでも出てきません。興味があれば調べて、出来れば教えていただきたいです。(ウィキペディアでは神の手という但し書きがついています。神の手は旧約聖書に出てくるヤハウェの神の奇跡として現れます。フリーメイスンリーのシンボルの一つにもなっています。シンボルのポスターに時々あります。見えざる神の手なんて経済学用語もあったかと思います。アダム・スミスによるものですね。彼はブラザーロバート・バーンズと同級とかだったと思います。(2013/6/13訂正:同級ではありえませんね。年齢が違います。同じクラブで会っていたという事です。)あとはブラザージェームズ・ワットとも関わりがあったようです。ブラザーロバート・バーンズとの接点については横浜ロッジのホームページにROBERT BURNS AND ADAM SMITH BY BRO. KOICHI TERASAWA Junior Warden, Square & Compass Lodge No. 3がありました。)

横浜市南区 神奈川です。片仮名のナなのでしょうが十字です。シンボルとしてというか、人間の感覚として中心にバツ印を入れるのは自然で理性的なのでしょうね。
フリーメイスンリーでは白丸に中心に点をうって平行棒を引くシンボルもあります。

説明についてはMasonic Dictionaryの該当ページで見てください。聖ヨハネの日と使徒ヨハネの日、夏至と冬至と地球の周回で説明するようです。基本的には幾何学と太陽信仰の象徴でGやピラミッドのシンボルと一緒かと思います。

以上で十字は終わりです。次回はエジプト十字、タウ十字、ラバルムのうちどれかをやります。


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