FREEMASONRY
映画「らせん」なんてのもあった気がします。
とりあえずウィキペディアから引用しときましょうか。
象徴としての螺旋
螺旋は、運動性や生命力を感じさせる面があるので、芸術作品などにおいては、様々な意味を込めた象徴、シンボルとして用いられることも多く、作品のタイトルとなっている例も多い。また、基本的には繰り返しの構造でありながら、同じ位置をたどらず、例えば無限に上昇する構造を歴史や生命になぞらえる例もある。
螺旋階段(らせんかいだん)は、階段の中でも特に回転形のものを指し、上部からみると円形になっており、中心の柱の回りを回転しながら上昇あるいは下降する構造の階段を特に螺旋階段と呼んでいる。
現代建築においては、多く取り入れられている。デザイン性に優れ、機能的でもあることから、最近は人気が高い。
らせん階段がシンボルとなることはウィキペディアにも書かれているとおりですが、フリーメイスンリーのシンボルとしては単なるらせん階段ではなく色々な条件や意味が込められています。
ウィリアム・ブレイク ヤコブの階段
ヤコブの梯子でピンと来る方は聖書をよっぽど良く読んでおられる方か、ユダヤ教の知識がある方、もしくはフリーメイスンリーについて勉強されている方だと思います。
そもそもヤコブって誰っていうのが普通の日本人だと思います。Jacobと書くので、英語ではジェイコブ、ハリウッドの俳優などでもいる名前だと思います。
ウィリアム・ブレイクをご存じの方もあまり日本人ではいないと思われます。
ウィリアム・ブレイク(William Blake, 1757年11月28日 - 1827年8月12日)は、イギリスの画家、詩人、銅版画職人。
日の老いたる者
作品を見ると一目瞭然だと思いますが、彼もフリーメイスンです。現在国立西洋美術館で、同館収蔵のブラザーウィリアム・ブレイク版画展2011年10月22日(土)~2012年1月29日(日)で開催中です。主にヨブ記のエッチングです。様々なご意見評価あると思いますが、貴重な実物が見られる機会であり是非ご覧になってはと思います。同時にプラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影2011年10月22日(土)~2012年1月29日(日)も開催中です。貴重な作品群をご覧ください。話がだいぶずれましたが、ヤコブの梯子というのは旧約聖書の創世記28章12節でヤコブが夢に見た、天使が上り下りしている、天から地まで至る梯子、あるいは階段とウィキペディアにあります。そもそもらせん階段ではなく梯子なんですね。
らせん階段は有名なところではローマにあるトラヤヌス帝の記念柱にありますが、西暦113年にできたそうで、私も実物は見たことないですが、その後にローマの建築法として広まったということです。
一応該当部分の旧約聖書を引用します。
ヤコブはベエル・シェバを立ってハランへ向かった。とある場所に来たとき、日が沈んだので、そこで一夜を過ごすことにした。ヤコブはその場所にあった石を一つ取って枕にして、その場所に横たわった。すると、彼は夢を見た。先端が天まで達する階段が地に向かって伸びており、しかも、神の御使いたちがそれを上ったり下ったりしていた。見よ、主が傍らに立って言われた。「わたしは、あなたの父祖アブラハムの神、イサクの神、主である。あなたが今横たわっているこの土地を、あなたとあなたの子孫に与える。あなたの子孫は大地の砂粒のように多くなり、西へ、東へ、北へ、南へと広がっていくであろう。地上の氏族はすべて、あなたとあなたの子孫によって祝福に入る。見よ、わたしはあなたと共にいる。あなたがどこへ行っても、わたしはあなたを守り、必ずこの土地に連れ帰る。わたしは、あなたに約束したことを果たすまで決して見捨てない。」ヤコブは眠りから覚めて言った。「まことに主がこの場所におられるのに、わたしは知らなかった。」そして恐れおののいて言った。「ここは、なんと畏れ多い場所だろう。これはまさしく神の家である。そうだ、ここは天の門だ。」ヤコブは次の朝早く起きて、枕にしていた石を取り、それを記念碑として立て、先端に油を注いで、その場所をベテル(神の家)と名付けた。ちなみに、その町の名はかつてルズと呼ばれていた。ヤコブはまた、誓願を立てて言った。「神が私と共におられ、わたしが歩むこの旅路を守り、食べ物、着る物を与え、無事に父の家に帰らせてくださり、主が私の神となられるなら、わたしが記念碑として立てたこの石を神の家とし、すべて、あなたが私に与えられるものの十分の一をささげます。」
聖書を読んだことが無い人にとってはこれだけでもう勘弁という気持ちでしょう。
このブログの内容は戦時中であれば確実に発禁になるような内容だと思います。
念のために言いますが、わたしはキリスト教徒ではありませんし、教会に礼拝に行ったこともありません。神社に初詣に行くような典型的な日本人の宗教観を持っています。
基本的にフリーメイスンリーのシンボリズムは特に旧約聖書の世界からシンボルを道徳的教訓として抽出してきていることがほとんどなので、聖書の通読は深い理解のためには必ず必要となります。それは必ずキリスト教、ユダヤ教への理解とつながるのですが、日本人にとってそれらは歴史的にかなり困難な要求となることは確実なので、内容をおおざっぱであれ理解していれば十分かと思います。
さて旧約聖書の解説はここではかなり困難なので、一応アブラハムとかイサクとかヤコブとかそういうユダヤ人とかアメリカ人に多く認められる名前のいわゆるユダヤ人のご先祖とされる伝説的な人々の活躍が描かれていて、その中でユダヤ人が大きく発展するきっかけとなるときに夢というのが神様からのメッセージとして非常に重要であるという話があるということが分かればよいかと思います。
この場合の階段、梯子は天につながる上昇するものの象徴として描かれ、ピラミッドや塔が高みに登り天、神に近付くという事を概念的に目指すということと同じく、フリーメイスンリーでは道徳的、人間的に高みを目指すという事で様々な必要とされる知識や振る舞いを覚えて、試練や困難を日々乗り越えることで、着実に一歩一歩高みに近付いて行く象徴ということになるかと思います。
特にらせん階段となることで、日々同じ場所を同じペースで上っているといつの間にか高い場所に達するというらせんの心理的効果を反映し、毎日同じ様な事を繰り返していながらも道徳的に一歩一歩着実に必要とされる事をマスターしていくことで、いつの間にか高い所に達するという意味もあるのだと思われます。
長くなりましたが、これでもだいぶ端折ってわかりやすくしている訳で、実際にはそれぞれマスターすべき階段の学科(いわゆる自由七科、リベラルアーツ)をそれぞれ学習する事とか、学習すべき美徳と一致した階段を上る事とかそういうのがフリーメイスンリーでは人間的修養として必須とされるのです。
ここではとにかくらせん階段がフリーメイスンリーのシンボルとして良く認められるので、それがシンボルとしてどのような意味があるのかという事をわかりやすく概説するために要約しているわけで、さらに深い勉強をしたい方はそれぞれフリーメイスンリーの英語のホームページを読まれる事をお勧めします。
で、本題の横須賀に認められる象徴なわけですが、最初はおそらくだいぶ一部で有名になってきている感じがする横須賀美術館のそれです。
らせん階段でシンボリズムとして大事なのはやはり1階~2階~3階へつながる形で、これはフリーメイスンであれば当たり前の話なのですが、いわゆる3階級、Entered Apprentice(徒弟)第一階級、Fellow Craft(職人)第二階級、Master Mason(親方)第三階級というブルーロッジと呼ばれるフリーメイスンリーの最も基本的なロッジ(集会場、集団)での階級を示しています。
白い色はフリーメイスンリーではCandidate 入会希望者、EA(Entered Apprentice)徒弟を意味する色とされ純白、無垢などを意味し、白と黒の対比はロッジの床のタイルに使われるものですが、世の中が善と悪や男と女が混沌と混じり合って存在している象徴とされています。
円形の窓も円で象徴するものなのでしょうが、こちらはあまり詳しくありません。世の中のものには始まりも終わりもないという意味だとか、永遠を象徴するだとかあります。特にフリーメイスンリーに特徴的ではなく、日本の国旗などにも認められるもので、この円はフリーメイスンリー特有のものではないかと思われます。(2015/2/7追記:文章も分かりづらいものとなっていますが、円のシンボリズムがフリーメイスンリー特有のものではないのではないかという意味で書いているかと思います。後述するように円のシンボリズムは新字体の円の漢字自体がトリプルタウの象徴そのものですし、円環はグノーシスの象徴であり、またスコティッシュライトでも円は多角形で象徴される階級の最上位の33階級の象徴が下向きの三角形、または上向きの三角形または円環であるようです。まあ普通に考えてもコンパスで描ける最も基本的な図形であり、象徴学の基本であり、フリーメイスンリー特有ではないかもしれませんが、フリーメイスンリーの基本的で最も象徴的な形という事を言う事ができるでしょうか。まさにグノーシスだと思われます。)
個人的には二度ほど訪問し、二度目に訪問した時はサルバドール・ダリの奇妙なマネキンが展示してありました。シュールリアリズムもシンボリズムの一つの極致であり、ダリの作品にもフリーメイスンリーと関係するものがあります。興味があれば色々と調べられるのがよろしいかと思います。
横須賀の他の場所のらせん階段については次回お話しすることとして、今回はこれで終わりとします。