FREEMASONRY
Blue Lodge, Scottish Rite & York Rite in Japan
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1878年 油彩、カンヴァス ボストン美術館蔵
The Hayden Collection—Charles Henry Hayden Fund, 10.35.
まあ横浜美術館のボストン美術館、ワシントンナショナルギャラリーの展覧会のままなんですが、いかがでしょうか。以前にもヘッダーの画像の解説や、オルセー美術館の展示の解説で示した、ブラザーマネの弟子のブラザーエヴァ・ゴンザレスと同時代のアメリカ出身の印象派女流画家のメアリー・カサット展を横浜美術館で開催中で、その目玉とされているのが、この絵です。こちらはブラザードガの弟子であったという事で、ブラザードガと袂を分かった際の絵もやはりオペラ座での女性の様子を描いた以下の絵画であったそうです。扇が開いているのが特徴的ですが、まあブラザードガとしてはまだまだ未熟であるという事であったのでしょう。

まあフランスでのフリーメイスンリーの男女共同ロッジというものがオペラ座での観劇と密接に関係していたという事と、それらと画家のサロンやアカデミーというものが関連していたこと、こういうオペラ観劇する女性を描くことが、メメントモリの主題や全てを見通す目の表現と共通した、フリーメイスンリーにまつわる表現であることが理解されるのではないでしょうか。メアリー・カサットは女性の権利運動にも積極的であったという事ですが、エジプト旅行後に自信喪失して多くの病を得たという事で、その他の作品が非常に聖母子像を意識したような母子の絵が多いことと、名前も聖母マリアの名であり、そもそもアメリカ出身でキリスト教の司教に勧められてヨーロッパに移り住んだ経緯もあるようで、非常に敬虔なクリスチャンであったようで、アメリカ出身といえども明確な男女共同ロッジに参加するフリーメイスンであったとは言い難いようです。それがはっきりわかるのが、やはり上記のオペラ観劇する女性の絵の題名が、ブラザーエヴァ・ゴンザレスの「ロッジにて」という表現ではなく、「At the Opera,オペラ座で」という題名になっているのが、まあオペラ座のロッジにてという意味にとれなくもないわけですが、晩年のそのエジプト関連の逸話や、聖母子像を思わせる母子の多数の作品から、ややフリーメイスンであるというにはキリスト教的、女性的すぎるのではないかと思われました。ちなみに生没年は1844年5月22日 - 1926年6月14日で、ミドルネームがスティーヴンソンというそうで、もしかするとスコットランド系であったのかもしれません。まあほぼフリーメイスンなんでしょうが、敬虔なクリスチャンであったであろうという事のようです。一生涯独身で、現在の評価も非常に高いようです。ファン・ゴッホに近いような存在かも知れませんが、ブラザーダリとかなり対極的な存在と言えるかもしれません。
女性フリーメイスンとしてはブラザージョセフィン・ベーカーやブラザージョルジュ・サンドが有名ですが、女性芸術家としてはブラザーロダンの弟子のカミーユ・クローデルが有名かと思います。カミーユ・クローデルは12月8日生まれだそうです。日本での女性権利活動家というと、平塚らいてうや津田梅子、市川房江などが有名ですが、女性芸術家というと与謝野晶子くらいでしょうか。与謝野晶子は真鶴・湯河原やフランスなどにも深くかかわっているので後々調べてみても面白いかもしれません。現代ではバラの名称ともなっているところで、黒柳徹子さんなどが筆頭のようです。男女共同ロッジとしてはいわゆるロッジ人権があり、日本にもロッジ人権とともにグラントリアン系のロッジ(グラン・ドリヤン・アラブ・エキュメニック)が存在します。小池百合子新都知事の誕生とも合わせて、今後より一層テーマとなるであろう女性フリーメイスンについての話でした。
(以前もセントポール大聖堂のところで触れましたが、セントポール大聖堂の墓所で顕彰されているのは女性ではフローレンス・ナイチンゲールだけだと思われます。ウェストミンスター寺院であれば女王が何人もいるかと思います。まあ男女同権ロッジはフリーメイスンリーではほぼフランス系の非正規ロッジという事になります。)
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